駿府町奉行

慶長十二未七月三日
家康公駿府御移徙之時町奉行始而被仰付、元和二
辰年徳川頼宣卿え被進、同五未年迄町支配、頼宣
卿御家人より寛永二丑年迄又公儀ヨリ御支配、寛
永二丑年より忠長卿え被進、同九申年迄忠長卿御
家人より支配

#	任免	姓名
1	慶長十二未(1607)七月三日ヨリ 元和二辰(1616)年迄	井出甚之助 正次
2		彦坂九兵衞 直政

此間駿府城大納言頼宣卿え被進、頼宣卿より町支
配、元和五未年紀州和哥山え所替

#	任免	姓名
3		御代官兼 門奈助左衞門 重次
4	元和五未(1619)年此貳人伏見ヨリ來 寛永二丑(1625)年迄町支配	右同斷 山田清大夫 宗勝
5		大納言忠長卿家臣 夏目源左衞門
6	寛永二丑(1625)年ヨリ同九申年迄 町支配御代官兼	右同斷 野邊六左衞門

寛永九申十月廿日忠長卿御預以後又公儀より町奉
行貳人被補、元祿十五午十一月十八日天野傳四郎
堺奉行被仰付、跡役不被仰付、元祿九子年清水御
船手兼、水主五拾人、與力六騎、同心四拾人ニ減ス

#	任免	姓名
7	寛永九申(1632)十月廿三日 同十一戌三月晦日於駿府卒	長崎半左衞門 〔元通〕
8	寛永十一戌(1634)四月廿五日御目付ヨリ、三百石御 加増 正德二酉(1712?)五月 日卒	土屋市之丞 勝正
9	正德二酉(1712?)六月廿日小十人頭ヨリ、三百石御加増 萬治元戌(1658)五月六日卒	神保三郎兵衞 長之
10	萬治元戌(1658)六月三日御徒頭ヨリ、三百石御加増 寛文九酉(1669)正月十日卒	猪子左大夫 一明
11	寛文九酉(1669)三月十一日御目付ヨリ、三百石御加増 天和三亥(1683)八月十日辭	長田六左衞門 重次
12	天和三亥(1683)八月廿八日御目付ヨリ、三百石御加増 元祿十丑(1697)正月十八日御持頭	土屋市之丞 正敬
13	元祿十丑(1697)正月廿八日御目付ヨリ 同十五午閏八月廿九日御役不相應ニ付被召放候 旨、老中本多伯耆守殿於御宅被召放 〔申渡カ〕	柘植平右衞門 〔兄正〕
14	元祿十五午(1702)九月十五日御目付ヨリ 同年十一月廿八日堺奉行	天野傳四郎 富重

元祿十五午年十一月廿八日傳四郎轉役跡役不被仰
付、壹人役ニ成ル

#	任免	姓名
15	寛永九申(1632)十月廿三日	佐藤勘右衞門 忠次〔繼成〕
16	寛永十七辰(1640)十月十五日小十人頭ヨリ 承應元辰(1652)八月九日卒	落合小平次 通〔道〕次
17	寛永十一戌(1634)四月十五日三百石御加増 同十七辰十月八日卒	揖斐與右衞門 政景
18	承應元辰(1652)八月廿八日御目付ヨリ 明曆元酉(1655?)六月廿八日卒	三宅太兵衞 長利
19	明曆元酉(1655?)十月廿三日小十人頭ヨリ、三百石御 加増 寛文六午(1666)九月廿六日卒	渡邊孫助 久次
20	寛文七未(1667)二月十四日御徒頭ヨリ、三百石御加増 同十戌六月十日甲府殿家老	岡野長十郎 房明
21	寛文十戌(1670)七月九日御徒頭ヨリ、三百石御加増 同年十一月十九日卒	富永孫左衞門 泰賢
22	寛文十二子(1672)二月十一日小十人頭ヨリ、此時與 力・同心御預 元祿二巳(1689)六月五日辭	大久保甚兵衞 忠景
23	元祿二巳(1689)六月九日御目付ヨリ 同四未十月九日辭	秋田平大夫 季重
24	元祿四未(1691)十月十一日御使番ヨリ 同七戌正月廿六日御役被召放、小普請入差扣	大嶋雲四郎 義高
25	元祿七戌(1694)三月十九日御目付ヨリ 同十丑五月朔日卒	角南主馬 重也
26	元祿十丑(1697)五月三日御目付ヨリ 同十三辰四月十五日辭	佐久間小左衞門 信房
27	元祿十三辰(1700)四月廿七日御目付ヨリ、三百石御 加増 同十六未正月四日卒	鈴木兵九郎 重視
28	元祿十六未(1703)正月十一日御目付ヨリ 寶永二酉(1705)十二月廿五日三百石御加増 正德三巳(1713)三月廿八日御勘定奉行	水野小左衞門 信房
29	正德三巳(1713)三月廿八日下田奉行ヨリ 同五未九月廿五日辭	深津八郎右衞 正國
30	正德五未(1715)九月廿八日御目付ヨリ 享保三戌(1718)七月九日辭	村瀬伊左衞門 房精
31	享保三戌(1718)七月廿五日御使番ヨリ 同十一戌〔午〕六月廿一日卒	津田外記 正房
32	享保十一午(1726)七月廿日御小性組大久保彦兵衞組與 頭ヨリ 同十五戌二月七日小普請奉行	小幡孫市 直昌
33	享保十五戌(1730)四月十五日御目付ヨリ 同十七子閏五月三日卒	筧新太郎 正尹
34	享保十七子(1732)閏五月廿八日西丸御目付ヨリ 元文二巳(1737)三月十日京都町奉行	嶋角右衞門 正祥
35	元文二巳(1737)三月十日御目付ヨリ 同五申四月二日大坂町奉行	松浦與次郎 信正
36	元文五申(1740)四月二日御使番ヨリ 寛延元辰(1748)十月廿八日小普請組支配	筒井主水 内藏 忠雄
37	寛延元辰(1748)十月廿八日御使番ヨリ 寶暦三酉二月十八日小普請奉行	小幡又十郎 景利
38	寶暦三酉二月十八日西丸御目付ヨリ 同六子十一月三日京都町奉行	元隼人 松前筑前守 順廣
39	寶暦六子十一月三日御先手ヨリ 同十三未五月十七日卒	朝倉仁左衞門 景増
40	寶暦十三未六月朔日新御番頭ヨリ 明和五子(1768)八月八日御普請奉行	久松忠次郎 定愷
41	明和五子(1768)八月十五日御使番ヨリ 同八卯十月十八日御持頭	中坊左近 秀亨
42	明和八卯(1771)十月廿四日御先手ヨリ 安永四未(1775)七月朔日禁裏附	永井采女 直該
43	安永四未(1775)七月朔日御目付ヨリ 同七戌七月廿日京都町奉行	土屋長三郎 正延
44	安永七戌(1778)七月廿日西丸御目付ヨリ 天明元丑(1781)五月廿六日堺奉行	山崎四郎左衞門 正祥
45	天明元丑(1781)五月廿六日小普請組支配ヨリ 同三卯四月十九日大坂町奉行	小田切喜兵衞 直年
46	天明三丑(1783?)〔卯〕四月十九日御使番ヨリ 同八申十月十九日御留守居番	依田五郎左衞 守壽
47	天明八申(1788)十月十九日御使番ヨリ 寛政四子(1792)七月朔日小普請奉行	石野八大夫 範堯
48	寛政四子(1792)七月朔日御先手ヨリ 同六寅五月廿六日辭	土岐主税 忠香
49	寛政六寅(1794)六月廿九日御徒頭ヨリ 同九巳十一月廿六日京都町奉行	松下孫右衞門 保綱
50	寛政九巳(1797)十二月十四日御使番見廻兼帶ヨリ 享和元酉(1801)六月十三日奈良奉行	岩瀬式部 氏記
51	享和元酉(1801)六月十三日御使番ヨリ 文化三寅(1806)三月四日京都町奉行	牧野靱負 成傑
52	文化三寅(1806)三月四日御先手ヨリ 同五辰十一月七日卒	戸川大學 逵旨
53	文化五辰(1808)十二月四日西丸御目付ヨリ 同七午六月七日卒	三枝甚四郎 信一
54	文化七午(1810)六月廿四日御目付ヨリ 同九申十一月朔日松前奉行	服部久右衞門 貞勝
55	文化九申(1812)十一月八日御目付ヨリ 同十酉十二月廿四日大坂町奉行	水野中務 采女 忠篤
56	文化十一戌(1814)正月卅日御使番ヨリ 文政三辰(1820)七月廿五日西丸御持頭	井上仲 左門 正章
57	文政三辰(1820)八月九日御使番見廻兼帶ヨリ 同十一子正月十一日山田奉行	牧野采女 成文
58	文政十一子(1828)正月廿日御使番ヨリ 同十三寅二月廿八日卒	赤松左衞門 範徳
59	文政十三寅(1830)三月十二日御使番見廻兼帶ヨリ 天保四巳(1833)八月十二日堺奉行	跡部季十郎 大膳 良弼
60	天保四巳(1833)九月五日御先手ヨリ 同七申十月十一日奈良奉行	本多丹下 繁親
61	天保八酉(1837)二月二日大納言樣御目付ヨリ 同九戌六月八日甲府勤番支配	牧野左衞 成綱
62	天保九戌(1838)七月朔日御使番ヨリ 同年九月 日卒	鈴木四郎左衞門 兵部 直容
63	天保九戌(1838)九月廿四日御目付ヨリ 同十三寅七月十二日小普請組支配	加藤靱負 正行
64	天保十三寅(1842)七月廿日御使番ヨリ 同十四卯七月廿八日堺奉行	永井求馬 尚徳
65	天保十四卯(1843)九月廿四日御目付ヨリ 弘化四未(1847)正月廿五日日光奉行	戸田寛十郎 氏榮
66	弘化四未(1847)二月十一日小十人頭ヨリ 嘉永六丑(1853)四月七日爲伺御機嫌參府 同年七月廿日日光奉行	三好大膳 長濟
67	嘉永六丑(1853)十月八日御目付ヨリ 安政四巳(1857)三月廿九日於彼地卒	貴志孫大夫 忠美
68	安政四巳(1857)四月十五日長崎奉行ヨ 同五午五月廿日禁裏附	大久保右近將監 忠寛
69	安政五午(1858)五月廿日小普請奉行次席御目付ヨリ、 席之儀御足高共是迄之通被下 同六未九月十日於本多越中守宅思召有之御役御 免、隱居被仰付、差扣可罷在旨申渡	鵜殿民部少輔 長鋭
70	安政六未(1859)十月廿八日御普請奉行ヨリ 慶應二寅(1866)二月 日奉書以駿府御定番	加藤壹岐守 隱岐守 則著
71	慶應二寅(1866)二月廿一日御先手過人別手組頭取取締 ヨリ 同四辰二月十一日御目付	佐久間鐇五郎 信義
72	慶應四辰(1868)二月十一日寄合肝煎ヨリ 同月廿日辭	大久保紀伊守 忠宣
73	慶應四辰(1868)二月十八日勤仕並寄合ヨリ、元學問所 頭取 同月廿六日辭	仙石右近 久徴