富士見 御寶藏 番之頭

始メ富士見番之頭ト御寶藏番之頭ト相分リ有
之候處、元祿十午三月十五日兩方打込相勤候
樣被仰付、御寶藏番所見廻リ富士見御番所番
頭泊リ、依之(富士見|御寶藏)番之頭ト御役名ニ相成ル

御番衆始百人、后ニ五拾人四組、御寶藏番は寛永十七年
辰十月芦田五拾騎者被仰付候

#	任免	姓名
1	天正十八辰十月關東御入國之節、一組百人有之 掃部筆頭被仰付、后番頭ト唱フ	深尾掃部
2	大坂御歸陳後筆頭被仰付	松平主馬
3	寛永十七辰(1640)十月、御寶藏番計被仰付、其後始御 寶藏番之頭被仰付 寛文四辰(1664) 月 日	御寶藏番之頭 西山忠左衞門
4	大猷院樣御代極之助兩人被仰付、都合四組	四番 内藤太郎左衞門
5	右同斷 寛文六午(1666)八月十八日願御免	二番 酒井極之助
6		四番 有田九郎兵衞
7		一番 掃部悴 深尾八大夫
8		三番 佐野久右衞門
9		三番 大久保九郎兵衞
10		三番 中嶋五郎右衞門
11	貞享二丑(1685)三月六日願御免	三番 内藤源藏
12	寛文二寅(1662)十月十九日大御番岡部丹波守組ヨリ 同十戌三月廿三日死	四番 水野新兵衞
13	同四辰三月廿三日ヨリ 同九酉 月 日死	御寶藏番之頭 加藤源四郎
14	同六午八月廿三日大御番岡部丹波守組ヨリ 延寶四未(1676?) 月 日願御免	二番 布施八郎兵衞
15	寛文九酉(1669)九月十三日大御番松平豐前守組ヨリ 同十戌 月 日死	御寶藏番之頭 佐野九右衞門
16	寛文十戌(1670)十月十六同戸田備後守組ヨリ 延寶七戌(1679?) 月 日死	同 山角次郎右衞門
17	寛文十一亥(1671)正月廿七日同植村土佐守組ヨリ 貞享四卯(1687) 月 日死	四番 杉原又兵衞
18	延寶七未(1679)二月廿七日同田中大隅守組ヨリ 貞享三寅(1686)六月十四日願御免	貳番 飯高又兵衞
19	延寶七未(1679)九月十八日同植村土佐守組ヨリ 同九酉五月廿六日願御免	御寶藏番之頭 鈴木次右衞門
20	延寶九酉(1681) 月被仰付	同 鈴木兵左衞門
21	貞享二丑(1685)六月廿五日御納戸ヨリ 元祿十四戌(1701?)	三番 山岡佐次右衞門
22	同年七月三日御腰物方ヨリ 元祿二巳(1689)四月九日願御免	一番 疋田源左衞門
23	貞享三寅(1686)七月十二日大御番松平主計頭組ヨリ 元祿十四丑(1701?)二月廿四日御免	二番 杉浦八郎五郎
24	同四卯七月四日ヨリ 元祿十丑(1697)十一月晦日願御免	四番 山田長右衞門
25	元祿二巳(1689)四月九日御腰物方ヨリ 同五申九月 日死	一番 山下又助
26	元祿三午(1690)二月四日桐之間御番ヨリ 同七戌五月七日願	御寶藏番之頭 石野傳右衞門
27	元祿三午(1690)三月廿五日新御番神尾市左衞門組ヨリ 同五申十月九日願	同 加茂宮太郎左衞門
28	是ヨリ打交ニ相成ル 元祿五申(1692)十月九日大御番三枝能登守組ヨリ 同九子四月三日願御免	一番組 深尾七右衞門
29	元祿九子(1696)四月七日同本多彈正少弼組ヨリ 同十丑二月 日死	池田源兵衞
30	元祿十丑(1697)三月二日御納戸組頭ヨリ 同年五月 日死	紅林源兵衞
31	元祿十丑(1697)六月廿七日御腰物方ヨリ 寶永七寅(1710)正月廿一日願御免	今福刑部左衞門
32	寶永七寅(1710)三月廿一日御納戸組頭ヨリ 同年八月三日願御免	入戸野十左衞門
33	寶永七寅(1710)八月三日被仰付 享保六丑(1721)八月 日死	天野九郎兵衞
34	享保六丑(1721)九月七日小十人山岡五郎作組與頭ヨリ 元文二巳(1737)三月十日西丸御裏門番之頭	神谷小作
35	元文二巳(1737)三月十日御勘定組頭ヨリ 寛保元酉(1741)六月五日願御免	都筑源大夫
36	寛保元酉(1741)七月十一日小普請駒木根甲斐守支配世 話取扱ヨリ 同三亥五月 日死	伴彌一左衞門
37	寛保三戌(1743?)六月廿一日御材木奉行ヨリ 寶暦二申六月十日願御〔面脱〕金貳枚被下	神谷平左衞門
38	寶暦二申七月廿六日同斷ヨリ 同四戌九月 日死	馬場藤左衞門
39	寶暦四戌九月廿七日表御右筆組頭ヨリ 明和六丑(1769)四月廿四日老衰願御免、金貮枚被下	小宮山武平次
40	明和六丑(1769)五月廿一日御鷹匠戸田五介組與頭ヨリ 安永六子(1777?)六月十七日同斷ニ付御免、同斷	小林新九郎 藤右衞門
41	安永九子(1780)七月十二日御曇奉行ヨリ 寛政四子(1792)十月十八日老衰ニ付御免、金同斷	福嶋吉左衞門

右跡不被仰付

二番組

#	任免	姓名
42	元祿十四巳(1701)二月廿七日御勘定組頭ヨリ 寶永元申(1704)七月 日死	細田三右衞門
43	寶永元申(1704)八月廿二日小十人大嶋織部正組與頭ヨリ 享保八卯(1723)二月十三日御免、金貳枚被下	建部三四郎 兵庫
44	享保八卯(1723)四月廿五日同曾我七兵衞組與頭ヨリ 同年 月 日死	中山新右衞門
45	享保九辰(1724)二月十五日大御番永井播磨守組ヨリ 同廿卯閏三月 日死	酒井九郎左衞門
46	享保廿卯(1735)五月十三日御廣敷御用達ヨリ 元文三午(1738)十月 日死	五嶋丹次郎
47	元文三午(1738)十一月七日大御番朽木和泉守組ヨリ 同五申七月十三日願御免	林平八郎
48	元文五申(1740)七月廿七日御殿詰御勘定組頭ヨリ 寶暦十一巳二月十一日願御免	祖父江作左衞門
49	寶暦十一巳三月廿九日刑部卿殿小十人頭ヨリ 明和三戌(1766)十月 日死	服部新五兵衞
50	明和三戌(1766)十一月二日御勘定組頭ヨリ 同九辰 月 日死	佐久間郷右衞門
51	明和九辰(1772)四月三日大坂御破損奉行ヨリ 安永九子(1780)四月廿五日願御免	廣戸半十郎
52	安永九子(1780)五月廿五日表御右筆ヨリ 寛政四子(1792)閏四月七日老衰願御免、金貳枚被下之	田中宇大夫

右跡役不被仰付

三番組

當時一番組

#	任免	姓名
53	元祿十丑(1697)四月廿九日元方御納戸組頭ヨリ 正德元卯(1711)十月 日死	萩原十助
54	正德元卯(1711)十二月廿三日 同六申正月願御免	永井孫大夫
55	正德六申(1716)二月十八日小十人酒井與左衞門組與頭 ヨリ 享保六丑(1721)六月 日死	杉源左衞門
56	享保六丑(1721)七月十二日御腰物方ヨリ 同十五戌五月 日死	神谷市郎右衞門
57	享保十五戌(1730)六月廿三日大御番曾我周防守組ヨリ 元文三午(1738)八月十日御廣敷番之頭	比留長三郎 勘右衞門
58	元文三午(1738)八月廿一日表御右筆ヨリ 寛保元酉(1741)十月 日死	犬飼喜太郎
59	寛保元酉(1741)十二月六日小普請永井監物支配ヨリ 同三亥三月廿一日御留守居組頭	加藤久次郎
60	寛保三亥(1743)四月十一日西丸御膳所御臺所頭ヨリ 寶暦四戌八月 日死	芦澤宇右衞門
61	寶暦四戌九月廿七日御勘〔定脱〕組頭ヨリ 同九卯十二月死	長谷川甚兵衞
62	寶暦九卯十二月廿五日小普請方ヨリ 明和七寅(1770)三月廿六日願御免	内崎治兵衞
63	明和七寅(1770)四月十二日御膳所御臺所頭ヨリ 安永六酉(1777)三月 日死	佐野孫左衞門
64	安永六酉(1777)六月七日漆奉行ヨリ 同八亥十一月 日死	阿久澤專左衞門
65	安永八亥(1779)十二月十二日表御右筆ヨリ 同九子十月 日死	熊澤藤次郎
66	安永九子(1780)十一月廿七日御鷹匠組頭ヨリ 寛政三亥(1791)十二月二日願御免、金貳枚被下	三橋藤十郎
67	寛政三亥(1791)十二月十一日御疊奉行ヨリ 同四子四月十四日願御免	鈴木五郎左衞門
68	寛政四子(1792)四月廿五日御納戸組頭ヨリ	塚原四郎右衞門
69		林半大夫
70		長谷川甚兵衞

四番組

當時二番

#	任免	姓名
71	元祿十六未(1703)九月三日大御番稻葉紀伊守組ヨリ 享保六丑(1721)正月廿一日願御免、金貳枚被下之	新見傳左衞門
72	享保六丑(1721)二月廿八日小十人山岡五郎作組與頭ヨリ 同八卯 月 日死	宮重久右衞門
73	享保八卯(1723)四月廿五日同曾我七兵衞組與頭ヨリ 同十九寅四月廿四日願御免、金貳枚被下	梶川清右衞門
74	享保十九寅(1734)五月廿四日表御臺所頭ヨリ 元文三午(1738)十一月二日願御免	岡田政右衞門
75	元文三午(1738)十二月七日西丸小十人岡嶋伊右衞門組 與頭ヨリ 延享二丑(1745)十二月 日死	石渡長次郎
76	延享二丑(1745)十二月十一日同諏訪勘兵衞組與頭ヨリ 寛延二巳(1749)六月 日死	瀧村嘉左衞門
77	寛延二巳(1749)六月廿九日元方御金奉行ヨリ 明和三戌(1766)十月九日老衰願御免、金貳枚被下	池田喜大夫
78	明和三戌(1766)十二月二日田安小十人頭ヨリ 同六丑六月 日死	藤澤彌三郎
79	明和六丑(1769)七月二日西丸奥御右筆ヨリ 同八卯十一月 日死	村上三郎右衞門
80	明和八卯(1771)十一月廿二日大御番杉浦出雲守組ヨリ 同九辰九月四日願御免	筧源左衞門
81	明和九辰(1772)九月廿七日小普請市橋大膳支配ヨリ 天明元丑(1781)六月廿五日願御免、金二枚被下	今井善左衞門
82	天明元丑(1781)七月廿四日大御番大久保下野守組ヨリ 同六午閏十月 日死	服部源兵衞
83	天明六午(1786)十一月十七日御勘定組頭ヨリ 同七未十一月六日故有之死罪	土山宗次郎
84	天明八申(1788)二月廿七日小十人土屋源四郎組與頭ヨリ 寛政四子(1792) 月 日死	幸田善太郎
85	寛政四子(1792)四月廿五日御納戸組頭ヨリ 同七卯四月廿七日願御免	入戸野十五郎
86	寛政七卯(1795)五月廿九日御書物奉行ヨリ	間宮三郎右衞門
87		岩間清藏
88		村田摺右衞門
89		林小左衞門

五番組

當時三番

#	任免	姓名
90	元祿五申(1692)十月九日拂方御納戸組頭ヨリ 寶永八卯(1711)三月十一日願御免	杉原新右衞門
91	寶永八卯(1711)三月十一日大御番水野飛騨守組ヨリ 享保十三申(1728)十二月十六日願御免	小林彌兵衞
92	享保十四酉(1729)正月廿六日同山名因幡守組ヨリ 寛延二巳(1749)七月廿三日願御免、金二枚被下	中川數馬
93	寛延二巳(1749)八月廿七日表御右筆ヨリ 同年十一月 日死	三浦彦四郎
94	寛延二巳(1749)十二月三日小普請方ヨリ 寶暦六子八月廿五日願御免、金二枚被下	水野三右衞門
95	寶暦六子九月廿四日御疊奉行ヨリ 明和二酉(1765)十一月三日願御免	秋野彦匹郎
96	明和二酉(1765)十一月廿六日漆奉行ヨリ 安永四未(1775)十二月六日願御免	山田常右衞門
97	安永四未(1775)閏十二月三日表御右筆ヨリ 天明六午(1786)十二月六日願御免	田代主馬
98	天明七未(1787)二月二日拂方御納戸ヨリ	朝比奈長七郎

六番組

當時四番

#	任免	姓名
99	元祿七戌(1694)五月七日御腰物方ヨリ 享保六丑(1721)二月十九日願御免、金貮枚被下	牛奥太郎左衞門
100	享保六丑(1721)三月廿八日大御番松平下野守組ヨリ 同十五戌十一月 日死	根岸三左衞門
101	享保十五戌(1730)十二月九日新御番高力平八郎組ヨリ 同二十卯九月 日死	金田小兵衞
102	享保二十卯(1735)十月五日大御番堀田出羽守組ヨリ 寶暦四戌閏二月 日死	田澤權十郎
103	寶暦四戌四月廿一日小普請金田主殿支配ヨリ 明和五子(1768)十二月十九日御免、金二枚被下	森長四郎
104	明和五子(1768)十二月廿五日御勘定吟味方ヨリ 寛政元酉(1789)閏六月 日死	野田源五左衞門
105	寛政元酉(1789)閏六月廿八日御勘定ヨリ 同二戌六月 日死	大原四郎右衞門
106	寛政二戌(1790)七月廿三日評定所留役ヨリ 同六寅六月朔日小普請菅沼大膳支配組頭	青木三郎左衞門
107	寛政六寅(1794)七月十一日御腰物方ヨリ	石野民三郎
108		花井庄左衞門
109	天保 同七申三月廿日御廣敷番之頭	梶川清次郎
110	天保七申(1836)三月廿日御廣敷番之頭ヨリ 安政五午(1858)十一月九日老年迄出精相勤候ニ付、布 衣被仰付 同六未九月 日卒	菅沼源左衞門
111	天保 同十二丑八月廿二日西丸御廣敷番之頭	大岡源右衞門
112	天保十二丑(1841)十二月廿九日御納戸組頭ヨリ 同十三寅 月 日死	鈴木勝内
113	天保十三寅(1842)五月二日奥御右筆ヨリ 文久二戌(1862) 月 日死	河野七太郎
114	天保十三寅(1842)八月二日田安殿長柄奉行ヨリ 同十五辰三月廿八日西丸御納戸頭	小倉内藏助
115	天保十三寅(1842)十一月廿七日小十人金田帶刀組與頭 ヨリ 嘉永三戌(1850)十二月七日辭	恒川鐵十郎
116	天保十五辰(1844)三月廿九日御書物奉行ヨリ 安政五午(1858)三月廿三日林奉行	中山榮太郎
117	嘉永三戌(1850)十二月十八日駿府御武具奉行ヨリ 同五子十二月十日西丸御廣敷番之頭	大谷木吉丞
118	嘉永五子(1852)十二月十日西丸御廣敷番之頭ヨリ 安政二卯(1855)六月九日死	成瀬藤右衞門
119	安政二卯(1855)七月廿日御具足奉行ヨリ 同六未七月十七日林奉行	野田忠次郎
120	安政五午(1858)四月四日浦賀奉行支配組頭ヨリ 慶應二寅(1866)十二月廿三日御裏門御切手番之頭	本多喜八郎
121	安政六未(1859)七月十七日御膳所御臺所頭ヨリ、永々 御目見以上	石川作次郎
122	安政六未(1859)十月七日外國奉行支配組頭ヨリ 文久三亥(1863)三月八日學問所頭取	奥村季五郎
123	又久元酉三月朔日大御番松平丹後守組ヨリ 元治元子(1864)五月廿八日御廣敷番之頭	萩原金彌
124	同日御鳥見組頭格ヨリ、永々御目見以上 元治元子(1864)五月 日死	吉田彌一郎
125	文久二戌(1862)十一月十七日一ツ橋殿用人ヨリ	布衣 石川周二
126	文久二戌(1862)十二月廿五日新御番松下大學組ヨリ 元治元子(1864)八月十八日開成所頭取並	目賀田帶刀
127	文久三亥(1863)七月晦日御書院番平岡石見守組ヨリ 元治元子(1864)四月廿日辭	浦上彌五右衞門
128	元治元子(1864)五月廿日御鷹匠組頭ヨリ	青木作兵衞
129	元治元子(1864)五月廿八日奥御右筆ヨリ	佐山與一郎
130	元治元子(1864)六月三日御廣敷番之頭ヨリ	高橋七左衞門
131	元治元子(1864)八月十八日二條御武具奉行ヨリ	齋藤新五郎
132	慶應二寅(1866)九月二日於大坂小十人鈴木伊兵衞組別 手組書役改方出役ヨリ、過人、即日別手組頭取 取締リ並介	大塚唯一郎
133	慶應二寅(1866)十月廿日寺社奉行吟味物調役ヨリ、過人 同年十二月廿九日新炮兵差圖役	川村清輔
134	慶應二寅(1866)十月廿七日京都見廻組與頭ヨリ、過人	間宮孫四郎

慶應二寅年十二月晦日(富士見|御寶藏)番之頭被廢止ニ付、
石川周二御役御免、勤仕並寄合、
石川作次郎・佐山與一郎・青木作兵
衞・高橋七左衞門・齋
藤新五郎・間宮孫四郎
御役御免、勤仕並小普請入被
仰付候事